日本におけるインプラントの普及について解説します。
オッセオインテグレーション・インプラントは、ここ10年あまりの間に欧米を中心にすごい勢いで普及していきました。
普及の程度を日本と比較すると、アメリカやスウェーデンで10倍、ドイツで5倍程度です。
日本での本格的な普及はこれからです。
どうして日本でオッセオインテグレーション・インプラントの普及が遅れたのでしょうか。
原因は歯科医師の不勉強というわけではなく、日本独自の医療制度にありまです。
オッセオインテグレーション・インプラントに限ったことではありませんが、欧米で発見・開発された技術が日本の一般開業医で行われるようになるまでは10年以上かかります。
というのは、欧米で発見・開発された技術は、その国内で2〜3年は臨床で実績を積み上げ、その後に国際学会で発表されることになります。
それから5年ほどは各国で臨床研究が続けられ、効果や安全性が十分に確認されたうえで一般開業医が実施していく、という流れなのです。
しかし、日本ではさらに「大学の権威」が必要になってきます。
各学会の権威ある教授の承認が、暗黙の了解となっているのです。
そういったことから結局、欧米で発見・開発された技術が日本の一般開業医にまで普及するのには10年以上の時間がかかってしまうのです。
もう一つの原因として、日本にインプラントが入ってきた当時、他の治療技術のレベルが低いために、インプラントがうまく機能しなかった例があったこともあります。
技術の未熟さをインプラントという新しい手法の原因にして責任転嫁する歯科医師が一部にあり、普及にはずみがつかなかったという事実があります。
しかし、現在ではオッセオインテグレーション・インプラントの技術を積極的に学び、治療に取り入れようとしている歯科医師が増えています。
欧米ではオッセオインテグレーションは歯科だけではなく、整形外科、顎顔面外科などで広く応用されるようになりました。
医学的には常識の技術となりつつあります。