インプラントの歴史について解説します。
インプラント治療の起源はインカ帝国時代のペルーまで遡ります。
歯が抜けたところにエメラルドの歯根が植えられたミイラが発見されています。
中国やエジプトでは、象牙の歯が植えられた人の骨が発見されています。
また、古代ギリシャでは権力者が奴隷の歯を抜いて自分の歯の抜けたところに埋めていたという記述があります。
その後は義歯、つまり入れ歯が発明されて発展しました。
中世ヨーロッパでは、象牙や牛の骨、あるいは健康な人の歯を買って人工歯にすることも行われていたようです。
「レ・ミゼラブル」には若くて貧しい女性が自分の髪と前歯を売るシーンが描かれています。
今から100年ほど前の文献には、注射針と同じ金属をバスケット状に加工して口の中に入れたと記述されています。
また、体に害を及ぼさないという理由で歯根に金を使ったものなどがあったようです。
その後さまざまな材質を用いて動物実験を行うなど試行錯誤が繰り返されました。
そして、ようやく落ち着いたのが、整形外科などで使うコバルトクロム合金でした。
整形外科では補正の際に用い、骨が付いたら外すという使い方をしていました。
その技術を人工歯根に応用しました。
ある程度有効な方法でしたが、体にとってはそれほどなじみの良いものではなく、排除する作用が働いてしまうため広く普及はしませんでした。